吃音についてよくある勘違い

吃音は言葉が円滑に出てこなくて思い通りに話せない症状です。吃音というのは病気ではなく、熱中症や多汗症などと同じ症状の名前です。吃音の原因についてははっきり特定することはできず、まだわかっていないことも多いため勘違いも多々あります。

この記事では、吃音に関してのよくある勘違いをまとめていきます。

1. 吃音症は言語障害?

吃音症は、構音障害や失語症などの言語障害と混同されがちですが全く異なるものです。

言語障害とは、広義には言葉によるコニュニケーションが困難な状態のことを指しますが、精神医学上の狭義の定義では言語の習得と仕様に困難さのある障害のことです。わかりやすく説明すると、言葉を理解する能力と話す言葉を考える能力が通常の人よりも低い状態のことです。原因としては先天的なものと後天的なものの両方があります。

一方で吃音症は言語障害のような発達障害ではなく、言葉を理解する能力も話す能力も人並みにもあるものの、いざ話す時に言葉がスムーズに出ない状態のことなのです。人によっては、初めての人と話す時や大勢の目の前で話す時など、特定のシチュエーションでのみ吃音が発症するというケースもあります。

生まれたばかりの子供は得てして言葉が不自由なものですが、目安として3歳を過ぎてもスムーズに言葉が出てこない場合は吃音の可能性があります。ただし、幼児の吃音は自然に治ることも多いので焦って病院に連れて行ったりすると逆効果になるので注意しましょう。

2. 吃音を意識すると悪化する?

成人が吃音治療に取り組もうとする時によくある相談が、自分が吃音だと意識するとよりどもりがひどくなって悪化するのではないかという心配です。

確かにどもらないように話そうとすればするほど泥沼にはまって言葉がスムーズに出てこないように感じるかもしれません。

逆に、一人でいる時や親しい人との会話のようにリラックスしている時はスムーズに話せるという人も多いです。

吃音を意識しすぎるほど余計に吃音がひどくなるという感覚は間違ってはいません。しかし、正しい吃音治療をすると吃音に対する意識の仕方が変わって、吃音について考えてもあせりや不安が出ることはなくなり、客観的に吃音の自分を見られるようになります。

「こういう声の出し方をすると吃音になるんだ」とか「この言葉は結構言いにくいんだ」とか冷静に見つめることができ、改善のPDCAをどんどん回すことができるのです。

吃音について意識しないようにするよりは、正しい治療法を知って、吃音の自分を受け入れて吃音に対する意識の変革をする方が断然良いのです。

3. 吃音は克服すべき?

2番と少し被りますが、吃音に悩んでいる人にはなんとか吃音を治そうとして、なかなか効果が出ないことにストレスを感じている人もいます。

吃音治療で大切なのは、吃音を治そう、忘れようとするのではなく、自分が吃音であることを認めて吃音が出る時の状況を冷静に客観的に分析することなのです。

吃音の自分を受け入れることができれば次は改善への道が開けます。

吃音治療のプロに相談したり、同じ吃音を持つ仲間と悩みを共有することが吃音を受け入れるもっとも良い方法です。

こちらでその方法について詳しく解説しているのでぜひ見てみてください。

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