吃音症とあがり症の違いとは?

吃音もあがり症も「人前に出ると言葉が出にくくなる」という点では非常に似ています。

両者は似ていますが、症状の出方、治療の方法が異なるので注意が必要です。

自分がどちらに属するのかを正確に見極めて正しい治療を行ってください。

吃音症とあがり症の違い

吃音症とは言葉が円滑に出てこない状態のことです。緊張しているかどうかは関係ありません。

赤の他人と話す時や大勢の前で話さなければならない際に、「いつものようにどもって言葉がでてこなかったらどうしよう」という不安から緊張してしまう場合はあります。

年齢に寄らずいつでも発症する可能性があります。

一方であがり症とは、人前で話す時の緊張や不安が大きために、何を話したらいいかわからなくなって言葉が出なくなったり、顔が赤くなったり、手が震えたり汗が止まらなくなったりする症状です。あがり症は先に心理的な緊張が起き、そのあとに目に見える症状が随伴してでてくるのです。

基本的には幼少期に発症し、小学校低学年までに自然に治らなかった場合、治療を行わなければ年齢と共に症状は悪化します。

吃音症の方でも、人まで話すことの緊張や不安が大きくなることであがり症を併発する場合もあります。

はたから見るぶんには区別はつかないので注意が必要です。

吃音症とあがり症の治療の違い

吃音症もあがり症も病名ではありません。どちらも原因を一つに特定することができず、症状を表す言葉だからです。

吃音症もあがり症も薬による治療法もありますが、基本的にはメンタル面を改善していきます。どちらも基本的には保険は適応されませんが重度になれば適応される場合もあります。

両者の違いですが、あがり症には行動療法と認知療法という二つの確立された治療法があります。

あがり症の行動療法とは、緊張してしまう特定の状況に関してあえて立ち向かうことで、慣れさせて恐怖感を克服する治療法です。例えば、人前で発表することが怖くて避けてきたのであれば、あえて人前に出る機会を増やします。

あがり症の認知療法とは、緊張する状況に対する認知の仕方を変える治療法です。例えば、人前に出る時に緊張する理由が「皆の目線が自分に向いている」だと考えている場合、「人は他人にあまり興味がないのでそこまで注目されていない」ことに気づかせて認識を改めます。

一方であがり症の治療法は、基本的にはメンタル面の改善なのであがり症の認知療法と被りますが、あがり症は克服するというよりは受け入れると言った方が近いです。詳しくはこちらをご覧ください。

また、話し方に癖がある人も多いので言葉の発し方を改善することもあります。

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